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kudo-mitate

このスキルの正体

「戦略や企画を考える」動詞群1の親スキル。クライアント案件に着手する直前、戦略づくりMAP(7つのQ)を全項目埋めきることで、「なぜ今、この案件にこの方針なのか」の必然性を立ち上げる。

動詞×目的語: 見立てる × 世の中の現在地と必然性 核となる道具: 戦略づくりMAP(7つのQ)+制限時間

やること: - 7つのQを全項目埋めきる(欠落をゼロに) - 骨(7Q)と肉(3C、SWOT、JTBD等)を分離運用する - C×L往復で感・勘と検・験を行き来する - Q2-Q4を手法A-Dで高解像度化する - 制限時間の枠を貼り、時空間上に配置する

やらないこと(他動詞群の担当): - ことばをかく(動詞群2) → kudo-writing - 資料をつくる(動詞群3) → kudo-proposal-deck傘下 - ことば以外をつくる(動詞群4) → kudo-design-mockup等 - Skillを管理する(動詞群5) → kudo-persist-settings等 - 叙述の型を組む → kudo-binary-fusion(本スキルと併用するメタ論法)

スキル親子関係

[動詞群1:戦略や企画を考える]
  [親] kudo-mitate ← 本スキル(7つのQ=診断のための問い)
    └─ [子] kudo-strategy-houshin(7要素=方針としての出力)
        ├─ [孫] kudo-marketing-strategy
        ├─ [孫] kudo-brand-architecture
        └─ [孫] kudo-brand-lens

重要な区別: - 本スキル(kudo-mitate)= 7つのQ(診断のための問い) - 子 kudo-strategy-houshin = 7要素(方針としての出力) - 問いで診断し、要素で方針を組み立てる。順序は mitate → houshin。

叙述作法: 本スキルを運用した結果を他者に提示する際(提案書/章立て/プレゼン)は、別途 kudo-binary-fusion(二項融解論法)を併用。見立てそのものと、見立ての叙述は別レイヤー。

起動ルール: - 子・孫スキルから起動された場合も、必ず本スキル(mitate)の原則を参照する(子が親を呼ぶ) - mitateの成果物(7Q埋めた1枚絵)は、子・孫スキルすべての前提として機能する

いつ起動するか

必ず起動: - 新規クライアント案件への着手時(最初の1手) - 既存案件で「方針が定まらない」「提案の必然性が弱い」と感じたとき - 子・孫スキル(strategy-houshin / marketing-strategy / brand-architecture / brand-lens)を起動する - 子・孫スキルから起動されたとき(子が親を呼ぶ原則)

起動を検討: - 講義設計/書籍執筆/X投稿で「いま語る必然性」が必要なとき - 既存提案のレビューで「世の中側の根拠が弱い」と感じたとき - 他者のアウトプット(広告・映画・商品)を「戦略写経」したいとき


核:戦略づくりMAP(7つのQ)

Q1. 主体Xが切実にやりたいこと=願望・目的は何か? Q2. 動かしたい客体Y=ターゲットは誰か。彼らが今抱いている「今のキモチ」は? Q3. 戦略が成功した未来で、Yが抱くべき「未来のキモチ」は? Q4. 課題・バリア=「理想・未来」と「現実・今」のGAPを生む原因は? Q5. 資源・リソース=戦略実行で使用するヒト・モノ・カネ・情報は? Q6. 基本方針=作戦。戦い方を明文化した命令文は? Q7. それに則った具体策・アクションは?

+ 制限時間の枠(縦軸:クリア度=願望実現度/横軸:時間)

これは時空間上に置かれた、動く戦場の設計図。単なるチェックリストではない。

7つの不明確: Q1が曖昧なら向かう先が不明。Q2が曖昧なら相手が見えない。Q3が曖昧なら勝利条件が定義されない。Q4が曖昧なら何を乗り越えるのか不明。Q5が曖昧なら武器なしで戦場に出る。Q6が曖昧なら散発的な具体策が先行する。Q7が曖昧なら号令があっても誰も動かない。


運用原則

原則1:骨と肉の分離

  • 骨(普遍):7つのQ ― どの案件・業界・時代でも変わらない基本構造
  • 肉(付け替え可能):3C、SWOT、9セグ、JTBD(ジョブ理論)、ペルソナ解析、ダブルジョパディ法則、VRIO+L、ビジネスモデルキャンバス等 ― 業界特性・時代状況・個別文脈に応じて装着

案件ごとに「どの肉を骨のどこに貼るか」を判断する。肉だけを埋めるのは「最上層の型の浅い使用」=形無し

原則2:C×L往復(感・勘と検・験)

CREATIVE思考(C)カンカン LOGICAL思考(L)ケンケン
なんとなく良い/カッコいい/美しい 確かに良い/信頼できる
主観 客観・アカウンタビリティ志向
決断志向(アジェンダ設定) 分解志向(MECE)
足し算・引き算 割り算・掛け算
ユーモアでズラす アイロニーで掘り下げる
中動的「偶然〜しちゃう」 能動的「自ら〜する」

戦略とは、CとLを制限時間内に行き来しながら、誰かの願いを現実化する方法論。 戦略家はLに重心を置きCに跳ぶ、クリエイターはCに重心を置きLで締める。重心が違うだけで運動は同型。

原則3:前前思考(問いを問う)

「考える」前に「何を考えるか」を問う。上司が振った課題をそのまま埋め始めない: - 解くべき課題は本当にこれか? - この課題にFITする型は何か? - その型に見合った状況か?

この癖を持つ者だけが、形無しにも最上層の型の浅い使用にも陥らずに済む。

原則4:「面白いね!」は禁句

トータル評価は分解の拒否であり、再現不可能性の発声。7Qに照らして「ドコがイケているのか」「ドコがショボいのか」を他人に説明できる言葉に置換すること。これが形無しと型守りを分かつ最初の関門。

原則5:手を動かすが思考の始点

整理してから書こうとする態度は、「考える」を「悩む」に転落させる最短経路。まずブワァーッと書く。整理されていなくても、手を動かすこと自体が「考える」の始点になる。


Q2-Q4の高解像度化手法

7Qのうち、Q2(今のキモチ)/Q3(未来のキモチ)/Q4(GAPの原因)は案件の要。以下4手法を状況に応じて運用:

手法A:動態変化の把握(BEFORE→AFTER × 3スケール)

Q2とQ3を動的に捉える: - 人類スケール:社会・文化・価値観の動態 - 業界カテゴリスケール:構造変化・カテゴリの停滞や歪み - 取り巻く者スケール:顧客・競合・関係者の認識と行動の変化

3スケールのうち最も動いている層に案件の起点がある。

手法B:受け手のセリフ化

Q2(今のキモチ)を個人セリフレベルまで高解像度化: 1. 抽象ではなく具体セリフで書く 2. ネガティブ/本音から書く 3. BEFORE側に厚く、AFTER側に薄く

手法C:本当の敵の発見

Q4(GAPの原因)を深掘り:オリエン書の競合定義を疑い、より上位の「カテゴリの構造的問題」に真の競合を発見する。順序は「本当の敵を先に見つけ、その結果として土俵を移す」

手法D:数字の解釈

Q2-Q4の仮説起点/裏付けとして数字を読む。単に提示するのではなく、動態変化の仮説と往復させる。「どちらが先でもよい。重要なのは往復すること」。


型の成熟度(守破離+形無し)

段階 状態
形無し 型を知らない/無視して自己流の思いつきに溺れる。本人は「型破り」を気取るが外から見れば基礎のできていない素人
型守り 既存の型を誠実に習得し、その制約の中で精度を上げる。下層の型を身体化するには避けて通れない
型破り 型を十分に内面化した上で、意識的に型を逸脱する。本質は「破る前に型が完全に分かっている」こと
型離れ もはや型を意識しないまま、型の精髄が自然に振る舞いに溶けている。名人・巨匠の領域

「型にハマる」対「型破り」は、形無しと型破りの混同から生まれる錯視。 型破りを目指すなら、まず型守りを通る。


戦略写経(身体化の訓練法)

他者のアウトプット(広告・映画・商品・プロモーション)を、作り手が組んだであろう戦略として7つのQに沿って勝手に再構成する訓練

  • 事実として合っているかは関係ない
  • 重要なのは受け手から作り手への視点反転が習慣化すること
  • 「あー面白かった」で止まらず、7Qで分解してショボい点とイケてる点を他人に説明できる言葉にまで詰める
  • これが「再現力」=凡人が天才の寝首を掻くための唯一の武器

実践素材: 映画・広告・商品・小説・音楽・政策・歴史事例等、世界中に素材は溢れている。


7つのQへの代入表(応用領域の統一スケルトン)

Canonの応用章(事業開発/地方創生/政治広報/組織文化)で使われる統一スケルトン:7Qを領域固有名詞で埋めた表1枚=OS走行の証拠

領域ごとに主体X・客体Y・資源・方針が置き換わるが、骨格は同形。

領域 Q1(主体X)例 Q2(客体Y)例
事業開発 創業者/新規事業責任者 未だ顧客化されていない潜在層
地方創生 自治体/地域プレイヤー 外から来る訪問者/関係人口
政治広報 政権/政党 有権者/無党派層
組織文化 経営陣/HR 既存社員/採用候補者

標準ワークフロー

Step 1:前前思考で問いを問う 課題設定そのものを疑う(15分目安)

Step 2:Q1(願望)から入る 主体Xが切実にやりたいことは何か、をまず言語化

Step 3:Q2-Q4を手法A-Dで高解像度化 3スケール動態(A)× セリフ化(B)× 本当の敵(C)× 数字(D)を往復

Step 4:Q5-Q7で資源・方針・具体策を組む Q6の基本方針は「命令文」で書き切る(曖昧にしない)

Step 5:制限時間の枠を貼る 縦軸クリア度 × 横軸時間に、5主体・キモチ・障壁・資源・行動を配置

Step 6:自己点検 - 7Qすべて埋まっているか? - 肉(業界フレーム)が骨(7Q)のどこに貼られているか明示されているか? - Q6は命令文になっているか? - 制限時間は貼られているか? - 「(トータルとして)面白いね!」で止まっていないか?

Step 7:子スキルへの引き渡し 成果物(7Q埋めた1枚絵)を、子 kudo-strategy-houshin の前提として渡す

Step 8:叙述局面への橋渡し 提案書化・プレゼン化・章立て化が必要な場合は、kudo-binary-fusion を併用して二項融解論法の7工程で叙述する


他スキルとの関係

動詞群1の子・孫スキル: - [子] kudo-strategy-houshin:戦略思考の7要素(出力としての方針) - [孫] kudo-marketing-strategy:マーケ専門領域 - [孫] kudo-brand-architecture:ブランド構造専門領域 - [孫] kudo-brand-lens:ブランド診断専門領域

メタ論法スキル(叙述局面で併用): - kudo-binary-fusion:二項融解論法(見立てを他者に提示するときの叙述の型)

起動順序の原則: 1. 新規案件 → まず kudo-mitate を起動 2. 見立てが固まったら → 子 kudo-strategy-houshin へ 3. 専門領域に進むなら → 孫スキルへ 4. 子・孫から起動されたら → 親スキルの原則を必ず参照(子が親を呼ぶ) 5. 後段スキルで詰まったら → kudo-mitate に戻り、見立てを更新 6. 叙述局面に入ったら → kudo-binary-fusion を併用起動


NG行動

  • オリエン書を読んだだけで kudo-mitate をスキップして子・孫スキルに入る
  • 7Qのうち一部しか埋めずに方針に進む
  • 肉だけ(3C、SWOT、ペルソナ等)を埋めて骨の7Qを飛ばす=形無し
  • 「(トータルとして)面白いね!」で止める
  • 手を動かす前に整理しようとして悩むに転落する
  • Q6を命令文ではなく説明文で書く(「〜が重要だ」ではなく「〜を狙え」で書く)
  • 制限時間の枠を貼らず、時空間が消えた静的チェックリストにする
  • 戦略写経を「事実確認」と誤解し、再構成の訓練を避ける
  • 本スキル(7Q=問い)と子スキル(7要素=出力)を混同する
  • C×L往復を怠り、Lだけで埋めて形式だけ整える/Cだけで走って根拠が曖昧になる
  • 子・孫スキルに入った後も見立てを更新せず固定化する

改訂履歴

  • v1.0:初版。5動作と3つの往復による見立て構造。
  • v2.0(2026-04-21):Canon第2章「戦略思考と型の思想」正典化により全面再設計。旧5動作を「Q2-Q4の高解像度化手法A-D」に再配置。核を7つのQに移行。二項融解論法は kudo-binary-fusion として独立スキル化。